【デェン・ナベ子の電鍋教室 #1】 滷包を作ろう&台湾煮卵「茶葉蛋」レシピ
台湾の国民的家電「大同電鍋」。
いま日本にもユーザーがどんどん増えています。
otonataiwan オトナタイワンでは『気軽に作れる本格的な台湾の味』を目指し、台湾で活躍する電鍋のプロ、デェン・ナベ子先生こと、石田香織さんに毎回電鍋を使った、ベーシックな台湾グルメを教えていただきます。
台湾コンビニの煮卵=茶葉蛋(チャーイエダン)
第1回目は「茶葉蛋(チャーイエダン)」。
台湾旅行の経験がある方なら、コンビニで電鍋に入った殻付き煮卵を目にしたことがある人は多いのではないでしょうか。ふわ~っとお店に入った時に漂うあの香りの正体こそが「茶葉蛋」。
1個だいたい10元くらい。買い方は、セルフで鍋からトングで袋に入れ、レジに持って行きます。小腹が空いたときにちょうどいいんですよね。
通常は色々なスパイスが配合された「滷包(ルーバオ)」と調味料を使用するのですが、今回はナベ子先生にご協力いただき、日本で手に入る材料でその「滷包」から手作りします。
材料さえ揃えば驚くほど簡単にできる茶葉蛋。食べると意外とあっさりとした風味に驚きます。使用するスパイスを見ると、これはまさに薬膳料理。食欲がないときや忙しいときなども、作りおきした茶葉蛋なら手軽にたんぱく質が摂れ、気の巡りもよくなります。
なにより、スパイスや調理している最中の香りはまさに台湾そのもの。あの香りが好きな方、恋しい方にはぜひ作っていただきたいレシピです。
講師紹介
石田香織(台湾在住17年目)
栄養士・調理師・低糖質スイーツ講師
台北にて長年飲食店を経営。現在は電鍋をはじめとした料理講師や台湾や日系企業の飲食コンサルタント、レシピ翻訳などを行う。台湾料理をはじめとしたアジア各国の料理を本場講師より学び、その経験を活かし、電鍋を使用した料理を研究。自作電鍋レシピはスイーツも含め500を超える。2017年より、”電鍋魔術師・デェン ナベ子”として、電鍋レッスンを台湾在住日本人や観光客を中心に開講。口コミが広がり、最近は台湾人向けのレッスンも定期的に行っている。
台湾の煮込み料理の基礎となる「滷包(ルーバオ)」
近頃は日本でも「五香粉(ウーシャンフェン)」をはじめとした調味料が簡単に手に入るようになりました。気軽に台湾風のごはんを楽しめるようになりましたが、台湾料理の調味料はなんでも五香粉を使えばいいというわけではありません。
台湾では主に茶葉蛋や薬膳煮込みの滷味(ルーウェイ)、牛肉麺などのお肉を使った煮込み料理を家庭で作る際には「滷包」を使用することも多く、スーパーでは必ず目にすることができるポピュラーなもの。迪化街や漢方薬局などでもスパイスを独自にブレンドした滷包が売られています。
スパイスと茶葉が入った「茶葉蛋用」、「肉料理用」、「萬用滷味包」と書かれたものはオールマイティーな万能用、使用する目的によって、配合するスパイスが違ってきます。
五香粉含め、すべてに共通しているのがシナモン(ニッキ)、フェンネルシード、八角。これに肉料理用ならクローブ、万能用なら甘草や月桂樹の葉、ナツメグ、黒胡椒などが配合されることもあります。
先生に台湾で販売している茶葉蛋用の滷包を開封して、中身を見せてもらいました。右側は茶葉です。
箱にはもちろん原材料がすべて記載しているので何が入っているかはわかるのですが、実際に見てみると、砕いたものやそのままのものなど、たっぷりと色々なスパイスがブレンドされていることがわかります。
茶葉蛋用の滷包を手作りしてみよう
まずは味の決め手となる滷包を作りましょう。スパイスをお茶パックに入れるだけで準備は完了です。
材料
- 八角 2個
- シナモン(粉) 小2
- フェンネルシード 小2
- 月桂樹の葉 2枚
- 黒胡椒(粉) 小1
用意するもの
- 市販のお茶パック
作り方
- 滷包の材料を全てお茶パックにいれる。
- 月桂樹の葉は1枚を6等分くらいに割る。
- 八角はお茶パックに入れてから布巾をかぶせ、瓶などで大まかに砕いておく。
デェン・ナベ子先生からのアドバイス
今回は日本のスーパーで手に入るスパイスで、本格的な味わいが楽しめるよう配合しました。もし八角が得意じゃない場合は1個に減らしても大丈夫ですよ。
茶葉蛋の作り方
材料
- 卵 5〜8個(液に浸る数をお好みで)
- 紅茶ティーバッグ 2袋
- 滷包
- <調味液>
- 水 400cc
- 砂糖 大1
- 醤油 大2
- 日本酒 大2
作り方
1.電鍋で茹で卵を作る
- 電鍋にキッチンペーパーを敷き、卵を並べ、水50ccを入れ、スイッチを入れる。
- スイッチが上がったら卵を水にとり、冷めたらスプーンで叩き、殻全体にひびを入れる。
2.電鍋で煮る
- 電鍋に入る大きさのステンレスのボウル又は耐熱容器に調味液を入れ、紅茶ティーバッグ、滷包、茹で卵を入れる。
- 外鍋に水50cc入れ、外蓋をしてスイッチを入れる。
- スイッチが上がったら1時間保温で放置する。
- 出来上がり
※電鍋を使用せず、鍋で作る場合は茹で卵を作った後は、水を450ccに増やし、キッチンペーパーなどで落し蓋をします。沸騰するまで強火で加熱、そのあと弱火で30分ほど煮込んだ後、火を止め蓋をして1時間ほど味を馴染ませます。
デェン・ナベ子先生からのアドバイス
卵を煮込む容器は電鍋付属の内鍋ではなく、小さめのステンレスボウルや耐熱容器など、材料を全部入れて、卵が調味液にすべて浸るくらいのサイズのものを使用しましょう。蒸し板は使わずに、そのまま電鍋にセットしています。
今回は紅茶を使用しましたが、茶葉は烏龍茶やジャスミン茶などお好みのものに変更しても、また違った味わいが楽しめます。その場合、香りのいい高級なものよりも、リーズナブルなティーバッグなどの方が美味しく出来上がりますよ。
次回もまたお楽しみに!
デェン・ナベ子先生に教えて欲しい電鍋レシピや電鍋に関する疑問・質問などありましたらぜひこちらからメッセージをお送りください。個別にお返事はできませんが、連載内容の参考にさせていただきます。